ユーザーを訪ねて No.121
株式会社エヌ・ティー・エス

ものづくりで夢をつくる創造企業


株式会社エヌ・ティー・エスの会社概要
本社
 電話番号
 FAX番号
福島県石川郡浅川町大字山白石字破石下197-1
0247-36-2534
0247-36-4860
東京営業所
 電話番号
 FAX番号
東京都大田区池上6-38-12
03-5747-2601
03-3752-7787
ホームぺージhttp://www.nts-co.jp
代 表 者代表取締役 生田目 政広 氏
従 業 員 数17名
事業内容精密機械加工、3次元削り出し部品加工、治工具加工、試作加工と3次元モデリング、CAD・CAM販売

工場全景
工場全景



生田目政広氏
株式会社エヌ・ティー・エス社長 生田目 政広 氏

 今回のユーザーを訪ねては、福島県の東北新幹線新白河駅から車で約40分ほどにある株式会社エヌ・ティー・エスを訪問いたしました。
工場は小高い山の中腹に位置し、立地条件は最高のリゾート地といった雰囲気でした。
「6年前にマツウラのGibbs CAMシステムの導入から大きく方向転換し、家業から企業への大変革を起こせました。 Gibbs CAMシステムが会社を変えたと言えます」と話されたのは社長・生田目政広氏(32歳)です。
昭和45年(1970)1月に東京で加工業に従事していた生田目社長の父、生田目勝美氏が福島に戻りペンチレス1台で創業。
「住まいの一階が工場で、絶対後は継がないと決意したいましたが、縁あって22歳の時から工場でものづくりをしてきました。 基本的にものづくりがすきなのですね」と生田目社長。
当時はダイキャスト加工が殆どでしたが、Gibbs CAMシステム導入を切っ掛けに3次元の試作加工への挑戦を始めました。
「知らない強みでしょう。いきなり3次元の試作部品を受注。 3ヶ月間不眠不休で取組み完成させた時には、ものづくりの達成感を実感しました。」と当時を振り返りながら語られました。


本格的に試作加工工場への転換

 4年前に住まいの一階の工場から隣接地に第二工場を建設し、数台のマシニングセンタを導入本格的に試作加工分野に進出しました。
更に平成16年(2004)12月1日に新工場を竣工、それに合わせてマツウラのマシニングセンタ3台、5軸加工機MAM72-63V、 横形機H.Plus-630、そして立形機V.Plus-800を導入。
2ヶ月余りですが、V.Plus-800は既に1000時間の稼動実績を上げています。

 新工場は試作加工が主であるために、情報漏洩対策のために指紋式のカギが使われ簡単に工場に入れません。
また温度管理にも工夫がされ、壁の上、中、下に3個所、それが10列、すなわち30個の温度計が設置され、 常に温度が監視できる仕組みが取られています。
切削油にも工夫がされ、アルミ材の削りでは通常は水と油を混ぜた水溶性の切削油を使用しますが、 独自の油性切削油を使用することで、高精度な製品つくりを実現しています。

 またGibbs CAMシステムは既に7セットを設備し、6台は3次元加工対応(内1台は5軸対応)、 1台が2.5次元システムで、あらゆる試作加工に対応しています。
生田目社長は「Gibbs CAMシステムは操作性が抜群にすばらしい。 難しいことも簡単にできるので、試作加工には最適です。 オペレータはGibbs CAMそしてマシニングセンタの両方を使い試作加工を責任を持って担当しています。 従業員の採用では経験は必要なく、会社内の教育で新しいデジタル化された職人の育成を行っています」と。


5軸マシニングMAM72-63V、横形マシニングH.Plus-630

お客様の要求に応え、より高精度加工へ挑戦

 マシニングセンタの特性で同じ加工数多ければ多いほど楽ですが、試作加工は数が少なく、加工としては大変な分野です。
それだけに不良品を出せば信用も落とし、また工数も無駄になりますので、品質が重要なポイントです。
「マツウラを導入するまでは加工品が出来上がると検査室で精度を計測し、寸法を修正して再度加工を行う。 その工程を何度か繰り返し精度を保っていました。 当然マシニングセンタとはこのような性質のものと認識していました。 ところがマツウラのマシニングセンタでは一度だけ補正をすれば確実に精度が確保できます。 オペレータは自信を持って加工に専念しています。 例えば二つの部品を結合させる為のノックピンとノック穴加工があります。 Gibbs CAMシステムとマツウラマシニングセンタのコンビでの加工で高精度の結合部が加工でき、不良ゼロを実現しています」とマツウラへの高い評価を頂きました。
また同時5軸加工では今まで加工が不可能であった形状を高精度で加工されています。
「すごいことを簡単に行ってしまう」との企業文化を垣間見た気がします。


稼働時間が一番長い立形マシニングV.Plus-800

夢を熱く語る生田目社長

 環境のISO規格ISO14001を平成16年(2004)に取得、現在品質に関するISO規格ISO9001と航空宇宙規格であるJISQ9100取得に向けた活動を開始されています。
JISQ9100では品質保証が重要です。
一方で、お客様の開拓にも挑戦されています。
例えば地域産業支援センターを通じて、参入を希望する企業の開発部門への最初のコンタクトをお願いしています。
その後直接の商談で、お客様が困っているサンプルを短時間で作成する営業活動を実施。
「製品が仕事を持ってくる」との方針で品質向上に努めた結果、仕事先は自動車関連、航空宇宙関連、医療関連、 そして今話題の二足歩行ロボット(ヒューマノイド)関連と幅広い分野に広がっています。

 「マツウラの5軸加工機MAM72-63Vで、Gibbs CAMシステムに続き2度目の大変革を創っていきたい」、 「社員も長い期間会社にいます。仕事が面白くないと人生はつまらない。 社員が将来、人生も仕事も面白かったなと語れる会社にしたい。その環境を作るのが私の仕事です」、 「試作は夢の実現です。人は夢を見て、その実現でものが生まれる。 これはものが生まれる原理ではないでしょうか。お客様に夢を提供し続ける会社でありたいです」と生田目社長は夢を熱く語ってくれました。

プログラムをGibbsCAMで製作し、5軸マシニングで加工したサンプルGibbsCAMシステムが稼動するCAD/CAM室



 IT産業のベンチャ企業が、マスコミ等で良く取上げられますが、今回の取材を通し「ものづくり」でも若くて、 素晴らしいベンチャ企業があることに嬉しく思い、また「試作は夢の実現」との言葉に爽やかな気持ちで、帰途につきました。


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