会社員

会社を潰さぬために―

 先日、いくつかの管財人をやり、再建を果たしてきた実践的な経営者が 「潰れる会社の共通点は、始業終業がルーズなこと、そして経営者や管理者が現場を知らないこと」と話していました。

 会社でも工場でも、始業時間には機械が動き、事務所が開かねばならない。
それが始業時間に入れば、後はいつ仕事にかかっても良い…というだらしなさ。
終業も10分以上も前から身支度して無駄話をしながら、時間が来るのを待つ…。
相撲の仕切りでも、短距離レースのスタート前でも、気持ちを整える大事な時間。
これで勝負が決まる要素も大きい。
僅か3分、5分の朝礼にしても、通達や指示連絡のほかに、全員の健康状態などを相互に確認しあい、良いスタートを切るという意味は大きい。
特に中小から中堅へ成長した企業経営者や管理者に、目立つ。

 もう一つ。経営者や管理者がデータや報告書だけを頼りにして、現場に足を運んでいないと「多分してくれているハズ」という、 曖昧な答えが多く実際に行われていないことが多い。
パソコンなど情報機器が進むにつれ、個別業務のウエイトが高くなり、仲間の仕事への関心が薄くなっている。
しかし組織で働く限りは、個人が結びつく唯一の「ヘソの緒」として、短時間の「顔と顔」のコミュニケーションを、より重視しなければならない。

 景況が上向きつつある今こそ、企業再建の「現場で叩き上げた」言葉を噛み締め、即実行したいもの。
現場での報告やデータとの検証を含めて、率先垂範こそ今がそのチャンスですね。


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