Focus 【6】
経済産業大臣登録 <No.107356>

中小企業診断士・高岡 勉 氏


高岡 勉
高岡 勉 氏

 ご存じでしょうか“中小企業診断士”という国家資格。
この資格は、経済産業省所管の中小企業向けの“経営コンサルタント”で唯一の国家資格です。

 中小企業の企業診断、企業分析、経営指導そして経営支援とフォローを専門に実施出来る専門家―といえば、理解できましょうか。
国家資格ですから当然、国家試験があります。
一般的な企業経営に関する知識や常識を問われる1次試験は8科目(1科目90分、1日4科目で2日間)が実施され、 これに合格すれば2次試験で中小企業の施策、ならびにそれらの理解と診断・指導など論文が主体で、1科目90分間で4科目の1日。
この1次、2次の競争倍率が、トータルで36倍〜40倍となかなかの狭き門。
弁護士・公認会計士・弁理士などに次ぐ取得が難しい国家資格、それが“中小企業診断士”です。

 そして3次試験は、1週間1企業を実地に訪問し、企業診断、企業分析、指導そしてフォローを行い、 最後にプレゼンテーションをするもので、5人1チームで2企業の合計15日間にわたって実施、これに合格して晴れて資格の取得となります。

高岡氏

地域結集プロジェクト・産官学連携事業で大変役立った
マツウラ開発研究部課長/高岡 勉 氏


 こんな難関を突破した社員が、マツウラの現役社員で活躍しています。
開発研究部の高岡 勉課長、その人です。

 高岡 勉氏は、財団法人福井県産業支援センターの研究室へ出向中という、“二足の草鞋をはく”芸当を巧みに消化しているマルチ人間でもあります。
このセンターでは、地域結集プロジェクトのリーダーとして、レーザー加工機の研究開発を担当しており、 プロジェクトの仕事が60%、マツウラの開発研究部門が40%という割合で、八面六臂の活躍をされています。

 高岡氏は平成元年11月にマツウラ入社の途中入社組。
神戸大学工学部を卒えて、昭和51年4月に株式会社クボタへ就職し、平成元年10月退社まで同社の“鉄管の用途開発”を専門に担当されてきた、純粋の技術屋さん。
なのに“中小企業診断士”という畑違いな国家資格に挑戦されたのは、どうしてなのか。

 高岡氏は「サラリーマン生活20年あまり。そろそろ大学で勉強をしてきたことを基本に、幅広く知識にまとめ体系的に身につけ、 従来までの仕事を踏まえていくのは今が一番の適当な時ではないのか、との思いで“私の人生の後半の展開”に資格取得を決意したのが、平成7年暮れ。 平成8年2月頃から行動開始。 通信教育に申し込みして6ヶ月で終了。 優秀賞を授与して平成8年の1次試験は合格したが、2次は本業の仕事が多忙で失敗。 翌年に2次だけの通信教育を受講し、その年10月に2次も合格。 平成10年1月、1ヶ月かけた3次試験も合格し、同年4月1日に“中小企業診断士”として経済産業大臣の登録を済ませ、 晴れて“中小企業診断士”を名乗る事が出来ることになりました。 昨年4月1日に登録が5年経ったので書き換えて、今年の4月で満6年になります。」と話されます。

 さらに資格取得後6年経った今、高岡氏は「知識もお蔭で体系だって身につきました。 通常のサラリーマンでは会社や職場だけしか見れないが、経営や企業レベルの大所高所から見て判断もできるようになりました。 また今回の地域結集プロジェクトの産官学連携事業では、大いに役立ったと思います。 この間、技術屋バカだった、専門で職人気質もとれたし、外部や周りとの比較や検証、そしてどう対策し行動するかが、うまく実際と噛み合ってきました。 何でも四角四面に考え行動してきたことが、駄目で迷惑をかけていたこともわかりました」と続けます。

 大部、仕事でも応用が効きますし文学的な考えもでき、金や人の面からの考えもプラスに作用しています―とも話す高岡氏は 「でも、この資格だけでは商売にならないことも理解できますね」と苦笑い。

 そして高岡氏は、この資格取得の挑戦と経験を糧として、第二の人生へのステップアップに 「有意義に使える仕事へのチャレンジも、考えてみる事があります」と闘志をみなぎらせていました。


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