欧州工作機械市場を占う・・・
英・独の工作機械展

- 英「MACH(マック)2002」展 -
- 独「METAV(メタフ)2002」展 -





 EMO・欧州国際工作機械見本市開催の翌年には、ヨーロッパの主要国で地方色豊かな、 ローカル工作機械展が開かれます。
昨年ドイツ・ハノーバーで開催された2001ハノーバーEMOを受けて、 今年マツウラはローカル機械展の中で、イギリスで開催の「MACH2002」展と、 ドイツで開催の「METAV2002」展に出展。

 いずれもローカル展の中では歴史ある、特徴をもった展示会。
「MACH」展はイギリス市場に絞り込んだ展示会として、世界のモータースポーツ要衝地の特異な産業と、 航空機器なかでもジェットエンジンなどの生産に特化した産業に焦点を絞られた展示会です。
一方の「METAV」展は、欧州大陸の市場全体をターゲットとした展示会ながらも、 工作機械の消費が世界有数のドイツ巨大市場を狙う、両睨みした力強い展示会です。

 以下、マツウラが出展した欧州市場に絞り込んだ、両展示会の成果をレポートします。




過去最高の入場者で賑わったマツウラブース
「MACH2002」展/4月29日〜5月3日開催




 「MACH」展は2年に一度、イギリスのバーミンガムにある国立展示場で開催される工作機械展。
イギリスで催されるこの種の展示会の中では有名な展示会です。

 今年4月29日から5月3日まで開催の「MACH2002」展は、 イギリスの設備投資が回復の兆しを見せ始めてきた時期だけに、同展示会の主催者、 出展者ならびに関係ユーザーの思いが複雑に絡み合い、 願わくばなお一層の設備投資を刺激するきっかけになって欲しいと望んだ開催となりました。

 この「MACH2002」展でマツウラは、イギリス市場の販売会社MMP社(マツウラ・マシナリー)が中心となって出展、運営。
出展者数は約30%減少しましたが、マツウラブースへの来場者数は、過去最高でした。
そして印象的だったのは「来場者の数ではなく、来場者の質、すなわち具体的な引き合いの数だった」と、MMP社長のJ.ジョーンズ。

 マツウラブースの運営を行ったMMP社の、MACH2002展への出展目的は「マツウラの横形新製品をイギリスで初披露し、 またMAM72-3Vのような5軸加工機の高性能に対する認識を高めること」に焦点を絞り込みました。
この絞り込みに、来場者の反応は素晴らしいものがありました。

 「MAM72-3Vこそ展示会の花形だ」と、思わず来場者を唸らせた風景を数多く見受けました。
24時間無人稼動が可能になるように、もっと設備投資を増加することを、 今のイギリス市場が要求し、この要求にずばりとはまったからでしょう。

 またMAM72-3Vシリーズのマシニングセンタを最近購入された、 顧客が何組もマツウラブースを訪問されたことも、大きな収穫でした。
例えばテーラ・キブスレー社も、このような顧客の一人です。
マツウラブースを訪問の間中、自動車産業から増えつつある需要に対応するには、 MAM72-35Vが必要なことや、セットアップ時間の短縮の必要性を、来場者に説明し続けてくれました。
お陰で、出展したMAM72-3Vは、マウンテンバイク用部品製造会社への販売に成功。

 さらに同展では、マツウラの新しいコンセプトによって製品化された、 横形マシニングセンタの新製品H.Plusシリーズも、数多くの来場者の目を引きつけました。

 好評裡に終わった、マツウラの「MACH2002」展は、これからの英国市場の深耕と拡張に大きく寄与することでしょう。



ドイツ市場で人気のMAM72-3VとLXシリーズ
「METAV2002」展/6月4日〜8日開催




 欧州で今年最大の工作機械展示会「METAV2002」展が、ドイツ・デュッセルドルフで、 6月4日から8日までの5日間にわたって開催されました。

 欧州の景気は、鉱工業生産指数に回復の兆しが見られるものの、 個人消費や設備投資はマイナス基調で推移している中での展示会。
各メーカーの出展機械も、新製品の紹介より売れ筋に的を絞った展示に特化しているようでした。
主催者であるドイツ工作機械連盟の発表によれば、出展社数は1,200社あまり、 総展示面積73,000uで、前回の2000年開催の史上最高記録に、わずか3%およばず、 また来場者数は64,000人(2000年展は67,500人)、そのうちの11%がドイツ以外の国からの入場者数。
ちなみに2000年展はオランダからの入場者だけでも8%を占めていたことから、 今回の展示会は欧州工作機械の市場が大きく変化し始めている前兆とも、とられたものでした。

 このMETAV2002展でマツウラは、欧州市場の販売統括会社MEG社(マツウラ・ヨーロッパ) ならびにドイツ市場の販売会社MMG社(マツウラ・マシナリー)の両社が中心となって運営。

 特にマツウラは、人件費の高いドイツ市場で人気を誇る、72時間無人運転対応のMAM72-3Vを中心に、 需要が増えている横形マシニングセンタ2機種(H.Plus-405、H.Plus-300)、 さらにドイツの型業界のユーザーに、マツウラが最も進んでいると評価された、 リニアモータ駆動技術を採用した最新モデル、リニアモータマシンLX-0の合計4機種を出展、大好評でした。

 H.Plus-405はドイツ南部の若干32才のオーナー経営の精密部品加工会社に、 またMAM72-3Vは既に2台の同機種を採用し稼動中のドイツ東部のお客様に成約販売。
不況期の展示会としては、まずまずの成果でした。

 日本のみならずドイツでも、特に多くの個人経営の中小企業者が、製造業を支えていることは有名です。
これらのオーナーが、設備や機械を購入決定するときには、 財務部長であるオーナーの奥様に了解を得ることが多々あります。
今回のMETAV展には、何人ものオーナーの方々が、奥様同伴でマツウラの展示ブースを訪問。
これらの奥様方からは、マツウラ製品のマシンカラーの取り合わせの妙を、 お褒め頂き今後の成果につながりそうでした。


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