――9月11日から7ヵ月のアメリカの現実――

アメリカの光と陰




 アメリカの政治・国防・金融・経済などの中枢を狙った、2001年9月11日の同時多発テロ事件の勃発、 その衝撃は全世界中に拡散していきました。
世界の覇権国家として、自他共に認めているアメリカは、 この日を境に「平和と繁栄」から「平和と戦争」に、そして「光と陰」へと、大きく戦略を転換しています。

 あれから7ヵ月たった、今年の3月下旬に、ニューヨークの現地、ワールドトレードセンターあとにきました。
未だ燻り続けている現場では、残骸を運び出している作業者の姿が、目に焼き付いています。
彼らは、どんな思いで作業をしているのでしょうか。
当時の悲惨さが、改めて思い浮かびます。

 一方、同じニューヨークはブロードウェイの繁華街。
「7ヵ月前にそんな事があったのか」と疑いたくなるほど、人が溢れています。
有名店には最新の商品が陳列され、レストランや劇場、ホテルなどは予約なしでは入れないほどの活況のさま――。

 アメリカの景気は、個人消費がその70%以上を支えているそうです。
しかし、この二つの現実を目の前にしたとき、アメリカの底力が尋常なものではないと思う反面、 これが本当の姿なのだろうかと考えてしまいます。

 アメリカの新しい世界戦略の「平和と戦争」は、まさに「光と陰」そのものです。
今、もっとも注意すべき問題点は「中近東の不安定と原油価格の高騰」を抱えていますが、 私達はあらゆる可能性のあるアメリカに、これからさらに注目すべきと思います。

 写真は3月下旬、ニューヨークでマツウラ社長の松浦正則が撮影したものです。

   


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