本 社 | 愛媛県温泉郡 |
代 表 者 | 代表取締役社長 富田 耕治 氏 |
資 本 金 | 9,600万円(平成13年4月末現在) |
売 上 高 | 71.0億円(平成13年3月期) |
従 業 員 数 | 266名(平成13年4月末現在) |
事 業 内 容 | FA事業部(合理化・省力化自動機械の設計・製造・販売・メンテナンス)、機器事業部(油圧機器・農業機械の精密部品加工)、帝人事業部(繊維機械のメンテナンス) |
所 在 地 | 愛媛県松山市 |
従 業 員 数 | 22名 |
主 な 業 務 | FA事業部(合理化・省力化自動機械の設計・製造・販売・メンテナンス)の各種精密部品加工ならびにユニット組立、 |
関 連 会 社 | 株式会社光真商事(松山市)、双葉工業株式会社(松山市) |
社長 富田耕治氏
<「光鉄工所」から「ヒカリ」へ華麗に変身した同社>
創業当時は、行きがかり上、井関農機や帝人への人材派遣と鈑金加工などが主な事業でした。
しかし1971(昭和46)年、松下寿電子工業の鈑金や組立ラインなどの取引を開始。
テープレコーダ、ビデオデッキの自動組立ラインをこなすなどが切っ掛けとなって、自動機械やFA関連へ大転換されました。
こうして同社の事業は、昭和46(1971)年から昭和50年代後半まで、井関農機の農業機械、帝人の化学繊維の関連事業に、
松下寿電子工業の自動化関連事業が加わって、3本の大きな柱に育ちました。
さらに、昭和60(1985)年のプラザ合意を境にして、FA事業が大きく進展。
今では総売上の90%をFA事業部がしめ、油圧機器や農業機械関連の機器事業と、繊維機械関連のメンテナンス事業が各5%と、
華麗な変身を遂げています。
一方、同社は創業30周年を期に、1991(平成3)年1月、社名を新しく「ヒカリ」と脱・鉄工所を図り、また企業理念を
「〈存在意義〉ゆとりを創造する、〈経営姿勢〉人を活かし、時を生かす、〈行動指針〉自らの可能性に挑戦する」
と制定、万全な体制で大きな飛躍期に挑んで、新21世紀の今年、創業40周年を迎えました。
<3ヶ月以内の短納期をいかにこな熟すかが、FA事業部の最大の課題>
さて、同社が大きく変身した、主要ビジネスのFA事業部門。
この事業部こそ、同社が新しく21世紀に向かって改めて誓った信念「お客様の満足を第一に」を、
さらに磨きかけねば存在価値を問われかねないものでしょう。
特にFA事業部の特長であり泣きどころでもある、受注から納入まで、長くて3ヶ月以内という、短納期。
この短い3ヶ月以内に、お客様のニーズをしっかり掴み、設計をし部材の手配を行い、部品を加工し、組立完成させ、調整納品する――。
この離れ技を、いかに消化し熟すか。
FA事業部長の森田恒二常務取締役は、同社南吉田工場の案内に同行の際、次のように話されています。
「FAのラインものは、受注から3ヶ月以内が普通の納期です。
設計に1ヶ月弱、2〜3週間で加工部品や部材の手配と完成、残り2〜3週間で組立し、あとは調整と納品でしょ。
従って、加工部品は加工材の調達から部品の完成まで、1週間程度。
それに加工は殆ど一品もの。この一品ものに、いかに対応するか。
とにかく365日、1日24時間を無人で仕事が出来る、一品加工が出来る機械を探し続けていたんです。
丁度1998年、東京JIMTOFのマツウラのブースで、面白くてユニークなMAM72-3Vを見つけました。
日替わりメニュー、変種変量の生産が売りの機械でした。
ただ当時、2パレットでも満足に使いこなしていなかったのに、40パレットが本当に使いこなせるか、それとコストと価格が合うのか。
すぐ検討をするよう、担当者に指示しました。」
FA事業部のメイン製品の一つ・基盤関連の自動画像処理装置
< MAM72-3VS、あと半年の結果が楽しみです>
「しかし2年たっても、検討結果が担当者から出てこない。
しびれを切らして昨年夏、発注。
このMCを使いこなす努力を、4ヶ月以内にマスターしろと言いましてね、これで加工現場に大きなインパクトを与えたいからでした。
これまで、切削のフライス加工は、6,000回転が最高でしたから、マツウラの15,000回転で切削スピードも早い。
とにかく出来ない理由から、こうやったら、こうすれば出来るというチャレンジ精神を植え付けたかったんです。」
MAM72-3VSはこうして昨年12月、納入設置されました。
「一品加工を何とか工夫して、うまく加工するよう、今だに四苦八苦していますがね。
それでも3月に150時間くらいの無人運転が出来ました。当面の目標は、1ヶ月300時間の無人運転です。
努力すれば必ず出来るはずであることが、MAM72で良く分かりました。
いろいろマツウラさんにも教えを頂いて、初期の目標にチャレンジします」
と、きっぱり話されたのは、FA事業部精機部の中尾貞勝チーフリーダー。
森田恒二常務は、中尾チーフリーダーの言葉を聞きながら、
「これで精機部も一皮剥けるでしょう。
もともと、MAM72-3VSは、デコボコの多いわがFA事業部の生産量の変動比率を、引き下げるのが目的でした。
出来るだけ自社内で加工すること、それも一品加工を無人運転で。
加工職場の環境整備にも、これで役立ちますし、工場環境の変化にも、うまく対応出来ますから。
あと半年、結果が楽しみです。」
と力強く話されていました。
FA事業部南吉田工場で稼働中のMAM72-3VS
今年創業40周年を迎えた同社。
10年後の創業50周年には、5ヶ所に分散している工場や事業部門など全機能を、本社のある重信工業団地周辺に集約する――
という、大きな目標に向かって、第一歩を踏み出した同社。
富田社長を「富田さん」、森田常務を「森田さん」などと「職名」を呼ばず、「さん」で呼び合う同社こそ、
「我、創る故に、我あり」のモットーのように、新しい21世紀の存在価値ある企業そのものでしょう。
ヒカリ輝く将来に向かった、同社の動きに、期待し、注目したいものです。
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